アトピーとの闘いが始まったんです」米がダメだから主食はヒエ、アワ、キビ。
授乳中なので、母子で雑穀を食べた。 「慣れるのに時間がかかりました。
もどしそうになったことが何回あったか。 おかずは野菜と海藻で、味付けは塩だけ。
いろいろ工夫して食べているのに、夫やお義母さんからは猛反対されました。 こんな食事では脳の発達が遅れるし、おっぱいも出なくなるって。

食事療法の指導を受けている私には、とても腹が立ってね。 『この子は私が育てる!』と家を出る出ないの大ゲンカをした。
結局、家は出なかったけれど」反発をかいながらも、Kさんは食事療法を続けた。 「だいたいね、アトピーは薬を塗っても治らないことは、お義母さんがいちばん身にしみて知っているんですよ。
だって、お義母さんもアトピーで、どんな薬を塗っても治らないという体験をしているんですから。 夫もそばアレルギーで、子どものころは湿疹とぜんそくがあったようだし」そもそも、Tくんはその体質を受け継いでいたのである。
ただ、夫が食事療法に反対しても、子どもとよく外で遊んでくれたのは救いだった。 「顔は黄汁が出て全体がジュクジュク。
首のまわりも汁が出て、ガーゼで巻いていました。 手足もむくんで、本当にオバケみたいで。
それでも嫌がらずに遊んでくれたことはうれしかったですね」しかし、食事療法を続けていても、症状は全然よくならない。 書店でアトピーの本をほとんど買い求め、どこの病院でどの医者がどんな治療をしているかを調べた。
「それからです、病院を転々としたのは。 大阪はもちろん、京都のアレルギー治療で有名な病院も何カ所か、渡り歩きました。
結果的にはどこも同じ治療法で、必ずステロイド軟膏を処方される。 西洋医学の病院を転々としながら、目をつけたのは東洋医学でした」東洋医学の研究所に三年通い、漢方薬を飲み続けた。

しかし、血液検査では、lgEが六八〇〇、九八〇〇、一万一〇〇〇、そして一万四〇〇〇まで上がっていく。 「どうしていいか、わかりませんでした。
あまりに病院を転々とするものだから、夫からは『おまえは診察券を集めるのが趣味か!』と言われてね。 気がつくと本当に束になっていました」子どもと夫、お義母さんとみんな別々の食事内容だったので、家事の負担も大きかった。

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